「年数」だけでは判定できません。日数も見ます
サービス管理責任者(サビ管)の研修を受けるには、実務経験の要件を満たす必要があります。
この点でつまずかれる方が多くいらっしゃいますが、理由は明確です。
## 「◯年以上」だけでなく、「実際に従事した日数」も要件だからです。
宮城県の一覧表には、こう書かれています。
1 年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が 1 年あたり 180 日以上であることを言います。
例えば、5 年以上の実務経験であれば、業務に従事した期間が 5 年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が 900 日以上であることを言います。
<cite>宮城県サービス管理責任者の要件となる実務経験一覧表(令和6年8月28日時点)/平成18年6月23日 厚生労働省事務連絡</cite>
つまり、在籍5年でも、実際に働いた日数が900日に届かなければ足りません。
逆に言えば、在籍年数を数えるだけでは判断できないということです。
パート勤務、育休、休職期間がある方は、この日数によって結果が変わります。
4つの区分のどれに当たるかで、必要な年数が変わります
宮城県の一覧表では、次の4区分に分かれています。
| 区分 | 何の業務か | 必要な期間 |
|---|---|---|
| 第1号 | 相談支援の業務 | 第2号と通算して5年以上 |
| 第2号 | 直接支援の業務(資格あり) | 第1号と通算して5年以上 |
| 第3号 | 直接支援の業務(資格なし) | 8年以上 |
| 第4号 | 国家資格等保有者が、その資格に係る業務に従事 | 3年以上 |
そして、次の①〜③のいずれかを満たしていることが要件です。
①下表第 1 号及び第 2 号の期間が通算して 5 年以上
②下表第 3 号の期間が通算して 8 年以上
③下表第 4 号の期間が 3 年以上かつ第 1 号から第 3 号までの期間が通算して 3 年以上
③を見落とさないでください。
国家資格を持っている方は、資格に係る業務3年+福祉の実務3年で満たせます。
「5年も8年も働いていない」と思っている方が、実は③で該当することがあります。
第2号の「資格あり」とは何を指すか
この点が分かりにくいところです。医師や社会福祉士のような国家資格のことではありません。
宮城県の一覧表には、こう書かれています。
社会福祉主事任用資格者、訪問介護員 2 級以上に相当する研修の修了者、保育士、児童指導員任用資格者又は精神障害者社会復帰指導員である者(以下「社会福祉主事任用資格者等」という。)に限る。
この5つのどれかに当てはまれば、第2号(5年)です。当てはまらなければ第3号(8年)になります。
見落としが起きやすいのは「社会福祉主事任用資格」です。
大学・短大で指定科目のうち3科目以上を修めて卒業していれば該当することがあります。
福祉系の学部でなくても、心理学・社会学・教育学などで該当する場合があります。
「自分は無資格だから8年」と思い込んでいる方は、卒業証明書と成績証明書を確認してみてください。
第4号の国家資格(3年)に含まれるもの
一覧表に挙げられているのは、次の資格です。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、公認心理師
「栄養士」「准看護師」「柔道整復師」も入っています。
福祉の仕事と直結しないように見える資格でも対象になります。
ただし条件があります。資格取得後に、その資格に係る業務に従事した期間であることです。
資格を持っているだけの期間は数えません。
どの施設・事業所での経験が数えられるか
区分ごとに、対象となる施設等が細かく定められています。主なものを挙げます。
第1号(相談支援)
一般相談支援事業/特定相談支援事業/障害児相談支援事業/地域生活支援事業/居宅介護支援事業/介護予防支援事業/児童相談所/身体障害者更生相談所/知的障害者更生相談所/福祉に関する事務所(市町村役場、福祉事務所、保健所)/発達障害者支援センター/障害者支援施設/障害児入所施設/老人福祉施設/精神保健福祉センター/救護施設/更生施設/介護老人保健施設/介護医療院/地域包括支援センター/障害者職業センター/障害者就業・生活支援センター/特別支援学校/病院・診療所 ほか
第2号・第3号(直接支援)
障害者支援施設/障害児入所施設/老人福祉施設/介護老人保健施設/介護医療院/療養病床関係病室/障害福祉サービス事業/障害児通所支援事業/老人居宅介護等事業/病院・診療所・薬局・訪問看護事業所/特例子会社/助成金受給事業所/特別支援学校/市町から補助金または委託により運営されている小規模作業所 ほか
「特例子会社」と「助成金受給事業所」が入っています。
福祉施設ではなく一般企業での勤務が数えられる場合があるということです。
障害者雇用の現場で支援に携わっていた方は、確認する価値があります。
病院・診療所での相談支援業務(第1号カ)には条件があります。
社会福祉主事任用資格者、訪問介護員 2 級以上に相当する研修の修了者、第 4 号に掲げる資格を有している者又は第 1 号のア~オ・キに掲げる施設等で従事した期間が1 年以上の者に限ります。
宮城県だけの項目があります
一覧表には、宮城県固有の記載があります。
第1号キ(その他これらに準ずる施設等)
児童心理治療施設/認知症対応型老人共同生活援助事業/仙台市障害者就労支援センター/被災者の心のケア支援事業/日常生活自立支援事業
「被災者の心のケア支援事業」は、宮城県の場合、次の3つに限られます。
(1)東日本大震災に係る宮城県障害者自立支援特別対策事業実施要綱(平成23年12月22日施行)に基づく東日本大震災に係る宮城県障害者自立支援特別対策事業のうち被災者の心のケア支援事業
(2)東日本大震災に係る宮城県被災者の心のケア支援事業実施要綱(平成25年4月1日施行)に基づく事業
(3)精神障害者アウトリーチ推進事業(震災対応型)実施要綱(平成23年8月3日施行)に基づく事業
震災後にこれらの事業に関わっていた方は、その期間が実務経験として数えられる可能性があります。
自分で確認する手順

1. 卒業証明書と成績証明書を出す — 社会福祉主事任用資格に該当しないか確認する
2. 職歴を書き出す — 事業所名、期間、職種
3. 各職歴が第1号〜第4号のどれに当たるかを、一覧表で照合する
4. 日数を数える — 在籍期間ではなく、実際に勤務した日数。1年あたり180日以上か
5. ①②③のどれかを満たすか確認する
4番でつまずく方が多いです。
勤務日数は、当時の勤務先に実務経験証明書を書いてもらうことになります。
退職した事業所にも依頼できます。すでに閉鎖している場合は、指定権者に相談してください。
分からないときは、聞いていい場所があります
一覧表にはこう書かれています。
実務経験が本表のいずれに該当するか御不明な場合は、事業の運営主体や施設の設置主体等に御確認ください。
そして、この資料自体についてこう注記されています。
この資料は、厚生労働省告示※で定められている、サービス管理責任者に係る実務経験の要件等を抜粋してまとめたものです。必ず、厚生労働省告示をあわせてご参照ください。
※指定障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者として厚生労働大臣が定めるもの(平成18年9月29日厚生労働省告示第544号)
当事業所は、要件の該当・非該当を判定する立場にありません。
このページは、確認のしかたを整理したものです。最終的な判断は、必ず指定権者(宮城県または仙台市)にご確認ください。
一緒に数えてみませんか
宮城県内で「サビ管の会」を開いています。
第1回のテーマは、まさにこれです。
「あなたはもう、サビ管研修を受けられるかもしれません」— 実務経験要件の数え方
要件を満たしているのに、それを知らないまま働いている方が多い、という実感からこのテーマにしました。
そして、当事業所ではサービス管理責任者を募集しています。
ただし、この会は求人説明会ではありません。詳しくは上のページに書いています。
よくある質問
Q. パートで働いていた期間も数えられますか?
A. 数えられますが、1年あたり180日以上の従事が要件です。週2〜3日の勤務では、年180日に届かない場合があります。実際の勤務日数を確認してください。
Q. 複数の事業所での経験を合算できますか?
A. 一覧表では第1号と第2号が「通算して5年以上」と記載されています。事業所ごとに実務経験証明書が必要になります。
Q. 資格を持っていない期間も数えられますか?
A. 第4号(国家資格等・3年)は「資格取得後に、当該資格に係る業務に従事した期間」です。取得前の期間は数えません。第2号は資格保有が要件です。
Q. 一般企業での経験は数えられませんか?
A. 特例子会社(障害者雇用促進法第44条第1項に規定する子会社)と助成金受給事業所(同法第49条第1項第6号の助成金の支給を受けた事業所)が対象に含まれています。該当するか確認する価値があります。
Q. 自分がどの号に当たるか分かりません。
A. 一覧表には「事業の運営主体や施設の設置主体等に御確認ください」と記載されています。判断が難しい場合は、指定権者(宮城県または仙台市)にお問い合わせください。
Q. この記事の内容は最新ですか?
A. 参照した一覧表は「令和6年8月28日時点」のものです。制度は改定されます。必ず宮城県の最新の資料でご確認ください。
この記事で参照した一次資料
- 宮城県サービス管理責任者の要件となる実務経験一覧表(令和6年8月28日時点)
- 宮城県サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修
- 平成18年9月29日 厚生労働省告示第544号/平成18年6月23日 厚生労働省事務連絡
※本記事は2026年9月時点で公開されていた資料にもとづいています。制度・要件は改定されます。手続きの際は必ず指定権者および最新の資料でご確認ください。
事業所の全体像はキャロット工房のトップページにまとめています。

